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★東北大震災からもう7年


★東北大震災からもう7年 関連死3,647人について考え直す必要あります。避難者はまだ7万3千人。

  2018年3月11日 記
家族・親族を亡くされた方、お悔やみ申し上げます。後年に関連死で亡くなられた方、ご冥福をお祈りいたします。
また、地震からも津波からも被害を免れたのに原発事故によって今も遠く離れた不慣れな土地で暮らす方々の悔しさ、怒り、お察しいたします。

私は3月11日14時56分に黙祷いたしました。毎年、この未曾有の大災害を振り返って、自分の生き方を問いなおすことにしております。
 また、年々世間一般では危機感やいたわりの意識が薄れて来たように思いますので、このページを使って黙祷だけでなく「文祷」もするようにしております(造語ですが)
 亡くなった方1万5895人、未だに行方不明の方2539人という状態です。

震災関連死で亡くなった方が3647人ですので、2万人を超える犠牲者の出た大災害なのです。
 その後土地の高さを2〜3mかさ上げする造成が進み(3県30地区4800億円)、住宅が建てられたり、交通機関が再開してある程度商店が戻った地域もありますし、人口が少しずつ地元に戻っている地域もある。夏に限定的ながら海開きをした浜もあります。一方で未だに故郷に帰れず、失った家や店を建て直せない、放射能汚染によって職業を再開出来ない、鉄道路線の修復が終わっていないところもあります。
あまりにも範囲が広く、土地ごとの事情が違うため十把一絡げに東北は、と言うことは失礼に当たるでしょう。
 ただ、避難者はまだ7万3千人いらっしゃいます。(復興庁調べ)
とても「復興の仕上げ段階に入った」とは言えないと思います。
復興庁のサイトで避難者の内訳を見てみると・・
仮設住宅や公営住宅、民間の賃貸住宅等にいる方が5万3446人で前年度より1894人減、
親族・知人宅が19632人で36人増、
病院等が271人で1人増  
73349人で1857人減
地域別では福島県17189人、宮城県9795人、岩手県8855人なのでやはり福島県が圧倒的に多い。いかに原発事故の影響が大きかったかを示しています。
 また仮設住宅の人が減ったのは強制避難だった地域が解除されたことも多いでしょうけれど、仮設住宅の無償提供が昨年11月に終了してしまったことも関係しているでしょう。必ずしも故郷に帰れたのではなく、親族・知人宅の数が増えていますのでそこへ移らざるを得なかったというケースもあると思います。
★また、毎年書いていますように「震災関連死」で亡くなる方がまだ増えています。
ですから亡くなったことで仮設住宅使用者が減ったという分もあると思います。なんと調べてみたら未だに毎年100人以上が亡くなっているのですよ。
「震災関連死」とは阪神淡路大震災で認識されて来たもので、仮設住宅や移住先の生活環境が悪く、精神的なストレスから睡眠不足、水や食料を十分に取れないことから脱水症状になったり、ストレス過多で心不全が増してしまうのです。
 東北大震災・原発事故の場合は津波や火災で家族が亡くなったことによる精神的ショックや周囲となじめない孤独感、言われない差別、といった過酷な避難生活が長期にわたっています。これは交感神経を緊張させ、血圧が上昇し、脱水も加わり、血液粘度が増して血液の塊(血栓)ができやすくなり、脳卒中・心筋梗塞を引き起こします。
加えて医療機関が遠くなったり交通の不便によって持病の悪化などから体調を崩し、免疫力が低下し、感染症、肺炎のリスクも高まります。さらに高齢者は生きている間に故郷に戻れる見込みが無いという絶望感からの病死や自死というようなケースもあります。
累計でなんと3,647人が関連死で亡くなっています。

阪神淡路大地震の犠牲者が6435人ですから、その半数以上の人数がこの関連死で亡くなっているのです。
 復興庁のサイトのデータを見てみますと、福島県で66歳以上の方が累計1984人と半数以上を占めていることはやはり原発事故の罪の重さを示しているように思います。
半年ごとの調査のpdf書類がありますが、表が非常に分かりにくく、冒頭に書いてある数字とも一致しないので、毎回の報告に文面で書いてある総数を地道に書とめ、前年度との比較を自分で計算して整理しておきましたのでご覧下さい。おどろくべきことが分かってきます。

時期 累計 年間死亡数 経過年数  
昨年9月までで 3647人   6年半後  
29年3月 3591人 119人 6年後  
28年9月 3523人      
28年3月 3472人 141人 5年後  
27年9月 3407人      
27年3月 3331人

242人

4年後  
26年9月 3331人      
26年3月 3089人 401人 3年後  
25年9月 2916人      
25年3月 2688人 1056人 2年後  
24年9月 2303人      
24年3月 1632人 1632人 1年後  
         

   

未だに毎年100人以上が亡くなっていることをみなさんご存知ですか?報道されていますか?
せっかく地震や津波から助かったのに、避難先で無念の死を遂げる方々・・。可哀想すぎます。
1年目は初期の混乱や仮設住宅設営が間に合わないとか不足、不備があったと思いますが、2年後までに2千人以上亡くなって、その後現在までおよそ1000人亡くなっています。
ところが復興庁の書類の冒頭を見ると毎回半年間で亡くなったのは4人とか8人とか書いているのです。いったいどういう計算法なのだろう?これを読んだ人は減ったんだな、改善されたんだなと感じます。対策も消極的になるでしょう。こういうのをミスリードというのではないでしょうか?
続く別表をじっくり見ればおかしいことが分かるのですが。公文書の書き換えとか政府がやりますし・・。

★ところで、福島県各地には、汚染した表面を削り取った土や草木といった「除染廃棄物」を入れた黒いバッグが積み上げられています。今はフレコンバッグと呼ぶそうです。フレキシブル・コンテナ・バッグの略で、化学繊維で折られて1トンほどの収納に対応しているようです。土嚢(どのう)として使ったり穀物や飼料を保管したり、土砂や粉末状のものを運搬するのに使われるものです。
これに各地(福島、宮城、岩手、栃木、茨城、群馬、千葉)で線量の高い地域部分を削り取った土砂などを入れて、膨大な量が積み上げられているのです。4段まで積み上げるとショベルカーが埋もれそうなほど。もちろん袋に放射線を遮断する機能はありませんから、ある場所を除染して線量を下げても、別の場所に集めればそこの線量が上がります。
上や横には汚染されていない土を入れたフレコンを積んで覆って放射線が外に漏れにくくし、その外側に雨除けの巨大ビニールシートをかぶせるということになっているようですが・・・→こちら
私が見たテレビの映像や写真ではただ積んで一面が黒い面積になっているものだけです。→こちら等
 こうした広い「仮置き場」はおよそ福島県で1100カ所。民家や学校に置かれている「臨時保管」13万7千カ所もある。近所の人が不安になるのは当然のこと。
 これらが事故のあった原発に近い双葉町と大熊町で建設中の「中間貯蔵施設」に運び込む予定。そこの収納限界は2200万袋分(東京ドーム18杯分だそうだ)。
ある仮置き場からは8台のトラックで1日3往復160袋を中間貯蔵施設に運ぶという。ということは一台で6袋しか積めないんだね。
この中間貯蔵施設に置くが、そのあとどうするかは決まっていない。
それでこれを「除染」ではなく「移染」だと思っている人も多いようです。
場所を転々と移動しているだけでたらい回し。かといって子ども達もいる生活圏内で高い線量を放ち続けるのを対処しないでおくわけにもいかない。

 私の住んでいる地域で以前ゴミ処分場建設の問題がありました。山の中に新しい最終処分場を作るということで反対運動が起き、長期間に渡る裁判が行われました。これは、その近くの廃棄物広域処分場へ多摩地域26市1町で燃やされた焼却灰や処理された不燃ごみを埋立てていた22haが容量限界になるので、新たに第2処分場を作るというもの。→こちら参照。
 非常に自然豊かな山の森を広大な面積(59.1ha)で木を切り倒して、埋め立て場を作るというわけですが、地面との間に敷いたシート(薄くちゃちなもの)に穴が空き、上にどんどん捨てられて来る燃焼後のゴミからダイオキシンや重金属類等、毒性の成分が流れ出しているというもの。ここの地下水は立川や国分寺の飲み水になっているわけだから、徐々に健康を害する、奇形児が生まれると警鐘を鳴らして抵抗したのです。団体は弁護士を数人雇ったり、都が出したり隠したりするデータを別の科学者で検証して信憑性を疑ったり。ちょうど原発の汚染水問題の小型版のような感じです。
 私は主要メンバーではありませんでしたが、寄付したり山の中で行われたコンサートでPAをやったりしました。母校の武蔵野美術大学の教授もインスタレーション「緑の森の一角獣座」を作って破壊しないようにという活動をしたり、田島征三さんが絵本を何冊も発行してうったえたりしましたが、結局強制失効で都に押し通されました。

    こちら参照
ちなみにこの処分場ではエコセメントというものにリサイクルして各地で建設用資材として活用されています。
これは、運び込まれる焼却灰からでる焼却残渣(ざんさ)や溶融飛灰を使って作るという。1日平均、なんと約430トンも生産していると表示されています。東京駅や東京スカイツリーにも使われたようだ。
これがまた安全なのかという問題がある。

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続きは週末にアップロードいたします。下書きは出来ているのですが数字など間違えないよう確認もありますので、もう少々お待ちください。